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2024年南イタリア・シチリア旅行

「好きな料理は?」と聞かれると色々な候補がありすぎて答えに困ってしまうが「シンプルに楽しく美味しい部門」があるとしたら一番はイタリア料理

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「好きな料理は?」と聞かれると色々な候補がありすぎて答えに困ってしまうが「シンプルに楽しく美味しい部門」があるとしたら一番はイタリア料理。

仕事終わりに一人でふらふらと酒を飲みに行くときによく行くのもイタリアン。特に南イタリアの料理が好きで、魚介のソテーやフリットと、フレッシュでミネラリーな白ワインを合わせると身体が仕上がる。

そのうち夏のイタリアに行きたいなとずっと思っていたのだが、去年(2023年)の夏のヨーロッパは猛烈な酷暑だったので断念。

今年も暑くなりすぎる前にということで、6月の初夏の南イタリア・シチリアに行ってきた。

美味しかったもの、よかった場所を書いておく。

良かったレストラン

Ristorante A Figlia d’O Luciano@Napoli

初日にローマ観光を済ませた後にナポリへGO。Google マップのレビューを見て良さそうだったこちらの店へ。ナポリ駅から黄金の風を感じながら15分くらい歩く。

地元民で賑わっているとレビューコメントにあったが、まさしくその通りの雰囲気。もはや地元民はメニュー頼まずに各々くつろいでいる。入店前にスタッフがどこにいるか分からずまごついていると、地元民に案内されてテーブルに座る始末。ゆるい。

料理はフリット、タコのサラダ、魚介とトマトのパスタを選択。白ワイン1杯5ユーロ(800円)、スパゲッティ14ユーロ(2520円)。かなり良心的。

味は期待通り!そうそう、これを求めてイタリアに来たんですよ。「高級で丁寧な美味しさ」ではなくて、「地元の食材と調理による飾らない美味しさ」の方向性。

こういうスパゲッティ大好きなんだけど、日本でも食べれないかなあ。東京の外食だと、美味しくないパスタか、高級な美味しさのパスタしか食べれない印象でいる。学生の頃に地元で日常使いしてた近所のイタリアンはこういう感じだったし、地方の良店はこういう方向性かも。

フリットとタコも美味しかったが、食べ続けると少し飽きるかな。3人以上でいって1皿をシェアくらいがちょうど良さそうである。

今回の旅はついついリゾート地を多めに選んでしまったのもあり、こういう店がなかなか発掘できなかったのが痛かった。

ひとり22ユーロ(4000円ほど)と夕食の値段としては多分ここが最低だった。他にひとり5万くらいのディナーにも行ったのだが、ぶっちゃけここが一番良かった。

イタリア旅は「リストランテ(高級飲食店)」ではなく「トラットリア(地元の食堂)」の方が楽しいのかも。イタリア料理は安ウマを探すに限る。

小魚のフリットと白ワイン。ワインが安くて多くて美味しい。小魚のフリットと白ワイン。ワインが安くて多くて美味しい。

ナポリの街中は少し暗くて汚い印象だが。これはこれで人の息遣いを感じられて良いナポリの街中は少し暗くて汚い印象だが。これはこれで人の息遣いを感じられて良い

C.I.C.A@Amalfi

ナポリの後はアマルフィへ。美しい海岸沿いの景色が有名で、昔から一度来たかった場所。

基本的にここもリゾート地なのだが、隣接エリアのポジターノがよりリゾート化しており、今回滞在したアマルフィはローカルな雰囲気も楽しめる。どちらも行ったが個人的にはアマルフィが好み。

昼頃にホテルに到着した後、一目散にこちらの店へ。クオッポが有名な店だそうで、我々が行った時も人だかりができていた。クオッポは食べ歩き用の包みに入った揚げ物のこと。こちらで一番人気の魚介ミックス(12ユーロ)と白ワイン(3.5ユーロ)をオーダー。

いや〜〜〜!美味い!最高!!魚介フリット部門だと人生一。白ワインもほんの少し微発泡でフレッシュで好みドンピシャ。最高。

量も多めなので、二人でシェアすると丁度いい。

アマルフィのビーチ。時間がなくて泳げなかったが、泳げば良かったなあと後悔するほど海が綺麗アマルフィのビーチ。時間がなくて泳げなかったが、泳げば良かったなあと後悔するほど海が綺麗

アマルフィ海岸エリアは建物がカラフルで可愛いアマルフィ海岸エリアは建物がカラフルで可愛い

Ristorante Pizzeria La Cisterra del Moro@Taormina

アマルフィからサレルノへフェリー移動、そしてサレルノからシチリア島まで列車移動。シチリア島は島なので陸路がないのにどういうこっちゃと思っていたら、なんと列車ごと船に乗ってシチリア本土に上陸。こんな運用してる鉄道会社、他にあるんだろうか。

シチリアではまずタオルミーナに滞在。リゾート地と聞いていたが、そこまでリゾート感は感じないなという印象。ハイブランドの店が立ち並ぶ通りは多少リゾート地っぽい。

ナポリと同じく、地元の人が集まってそうなお店はないかな〜とGoogle Mapで探したところ、こちらの店がヒット。ボンゴレスパゲッティをチョイス。

ニンニクがかなり強め、アサリの旨みも強めで美味い!お酒が進みそうな濃い味付け。自分は濃いめの味が好きなので個人的には好きだが、人によっては多少やりすぎに思うかも。

眺めがよいテラスで、適度な開放感と隠れ家感がありよい店だった。眺めが良い場所とアペロールは映える。

夜にきて他のメニューも食べたかった。

アランチーノ@Taormina

アランチーノはシチリア名物のストリートフード。揚げおにぎりのことで、米はグラタン風。具材が入っているものもある。

適当にその辺で買って食べたが美味かった!これを嫌いな日本人はいないのでは。

気軽に食べるには、どこもサイズがデカめなのがたまに傷。日本のコンビニおにぎりの1.5〜2倍サイズありそう。

アランチーノは何やらキャラクター化されているようで、手や足が生えたアランチーノ君をシチリアの街のいたるところで発見できた。

市場で食べ歩き@Siracusa

Market(市場)が賑わっている街はいい街だ。

この旅であまり良さげな市場を見つけられなかったのだが、シラクーザの市場はとてもよかった。お昼時には各種のお店がその場ですぐ食べれる魚介や惣菜、ワインなどを売っており、心地いい喧騒に包まれている。

最終日の帰り際にかけこんで牡蠣とワインをチョイス。ここでのワインがこの旅一番のクリティカルヒット!C.I.C.Aで飲んだワインに近いが、更に果実感があって飲みやすい系。しかも牡蠣1ピースにつきコップ1杯という贅沢仕様。いや、牡蠣が3ユーロなのでそんなもんかもしれんが、でも気持ち的には嬉しい。

ここで勢いをつけて市場を闊歩。色々気になるお店はありつつ、結局またもや魚介フリットへ。この旅で4回くらい食べている。美味しかったけど、C.I.C.Aほどではないのと、やや飽きてたのが正直なところ。いやじゃあ頼むな。

ちなみにこの後そのまま帰国したのだが、シチリアからローマに向かうAeroitaliaの便が何の事前連絡もなく欠航となり、4時間ほどシチリアで待たされ、危うくローマから羽田の便に乗り遅れるところだった。余裕をもった旅程にしておいて良かった。二度と乗らんぞAeroitalia。

そこまで好きでもなかったレストラン

ちょっと微妙だったな〜という店についても、思い出ということで載せておこう。

Veritas@Napoli

雰囲気はとても良い雰囲気はとても良い

ナポリの一つ星レストラン。ナポリ市街地西側の高台にある。タクシーに乗ってレストランに向かう最中、高台の道路からの眺めを見るのは良かった。

レストランの雰囲気は上質でとても良い。20時から始まるディナーだったが、20時でもまだまだ明るいので日が暮れるのを感じながらお洒落な店内で時間を過ごせる。

普通に雰囲気とか色々良くて、好きでもあるんだけど、肝心の料理いまいち印象に残らなかった。

イタリア料理の「シンプルに美味しい!」という方向性ではなく、やや複雑な味。その複雑さが美味しいかと言われると、いまいちピンとこない方向性というか。

例えばスペシャリテの海老は、日本にないようなフレッシュ濃厚ねっちょりな味で美味しいんだけど、これに濃厚レモンソースを合わせるのはちょっと食べ慣れない味。続くスパゲッティも同じく。一番素直に美味しかったの、アミューズのコロッケだったな…。

とはいえ、立地と雰囲気は心地よかった。ワインのペアリングの精度も良かったかな。

ミニマムなコースでサクッと楽しむデート向けかも。我々はひとり3万円ほど。

アミューズが一番良かったかもしれないアミューズが一番良かったかもしれない

ワインは全部とても良かったワインは全部とても良かった

フレッシュ濃厚ねっちょりな味で美味しいんだけど、これに濃厚レモンソースは食べ慣れない味…フレッシュ濃厚ねっちょりな味で美味しいんだけど、これに濃厚レモンソースは食べ慣れない味…

Sensi@Amalfi

こちらも同じく一つ星。アマルフィの広場から、目立たない小道を通ってひっそりと佇むレストラン。と思いきや、テラス席は海沿いに面していて開放的。雰囲気は100点。

しかし味は、これもまた実験的というか、先鋭的というか…。シンプルに美味しい味ではなく、色んな味が混じった複雑な味、かつ全体的にレモンの酸味が効いている料理が多い。不味いとは言わないが、全くピンとこない味で、後半のコース料理が正直ちょっと苦痛だった…。コースが早く終わってほしい、と思ってしまったレストランは初めてかも。

本で読んだ知識によると、日本人は酸味が苦手らしい。なるほど、周りの客は美味しそうに楽しそうにしていたし、グローバルではこれがウケているんだろうな。

Veritasと同じく、雰囲気とワインペアリングはとても良かった。しかし、味がピンとこないんだよな…。一人5万円ほどだったので財布のダメージもデカい。

店が悪かったとは思わず、単に自分の好みの問題でしかないが、イタリアでは高級店ではなくローカルな有名店に行くことにしようと決めた日だった。

レモンのソルベに白身魚にオリーブオイルにウエハースにキャビア。酸っぱくて塩っぱい。ううむレモンのソルベに白身魚にオリーブオイルにウエハースにキャビア。酸っぱくて塩っぱい。ううむ

塩っぽくて硬くて薄い生ハムとパスタ。ううむ…塩っぽくて硬くて薄い生ハムとパスタ。ううむ…

雰囲気はだいぶ最高雰囲気はだいぶ最高

IL Barcaiolo@Taormina

口コミが良さそうだったので訪問。オンライン予約が取れなかったので、ホテルのフロントで電話予約をお願いすると「ここは良いレストランだ」と言われて期待が高まる。

中心街からケーブルカーで降って、海岸沿いの道路を歩き、更にローカル感漂う小道に入ってガシガシと歩いて行くと、地元の人しかいなそうなビーチの前にレストランがある。地元感が漂うレストランだが、内装は綺麗で雰囲気は良い。

料理は生魚、スパゲッティ、焼き魚をチョイス。ローカルの白ワインはとても好き。

まず生魚。悪くないが、なんというか良くもないというか…。イタリアで食べる生魚、全体的にしっかり新鮮はありつつ熟成が効いており、味が濃いのは良いが、中途半端な温度で出てきて微妙な気持ちになる。そして果物と合わせるのがなあ…。もっとシンプルに、オリーブオイル!塩!って感じのカルパッチョにするか、でなければ醤油と日本酒で刺身としていただきたいな……という気持ちになる。

ほうれん草のスパゲッティも、うん。なんか不思議な味。太めの麺にフレッシュチーズと海老のタルタルがかかっている。悪いとは言わんのだが、普通にオリーブオイルのスパゲッティを食べれば良かったな…。

最後の焼き魚は、普通の焼き魚。まあ美味しいけど、テンション上がるほどでもなく…。

普通にただの焼き魚普通にただの焼き魚

なんだろうなあ。日本で食べなれてるシンプルなイタリアンは好きなんだけど、そうでない味はいまいち感動できないというか…。慣れの問題なのかな。

道中に出会った猫。可愛い。道中に出会った猫。可愛い。

その他良かったアクティビティ

サイクリング、街歩き、ビーチ@Siracusa

シチリアで一番美しい街とも言われるシラクーザ。イタリアではあるがギリシャ文明の影響が強く、白い大理石をベースに作られた旧市街の街並みが美しい。

そして、街から自転車で10分の位置にサイクリングロードのようなものがあり、海岸沿いを自転車で走ることができる。これがこの旅で一番楽しかったかも。シチリアの白と赤褐色の大地と、横に広がる群青の海を満喫できる。

サイクリングも街歩きもビーチも、どこを切り取っても美しい街でとても良かった。最後に訪れて1泊しただけだったが、一番良かったなあ。もっと滞在したかった。

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おわりに

移動多めリゾート地多め高級店多めな旅にしてみて、少し失敗だったような、まあこれも良い経験だったなというか。また気軽に行ってみたいねイタリア。次は北部かな。

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Katsuma Narisawa

Software engineer and photographer exploring the intersection of technology and human experience.

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