Le Clos De La Tour / Bourgogne
星が付く前に通っておきたい、伸び盛りのブルゴーニュ

今回ブルゴーニュで宿泊していた Les Sources de Vougeot の敷地内にあるガストロノミーレストラン、「Le Clos de la Tour」。ホテルがとにかく最高の雰囲気なので、レストランにも期待して伺いました。
ホテル自体は14世紀にシトー会修道院長たちの居館として建てられた歴史的建造物で、Caudalie などで知られる Les Sources グループが2022年に取得し、大規模改装を経て2026年2月26日にリオープンしたばかり。場所はブルゴーニュの中心地、ヴージョ村近郊に位置しており、Clos de Vougeot や Romanée-Conti の畑にもほど近い最高の立地です。料理はブルゴーニュの食材や伝統料理をベースに、現代的で軽やかな方向へ再構築されたスタイルな模様。シェフはアヴァロン出身、35歳の Julien Martin 氏。「遅くとも2027年3月までにはミシュランを獲る」と公言する、いままさに星を狙うフェーズのレストランです。


1杯目。せっかくブルゴーニュにいるので、クレマンにするか迷ったが、結局はシャンパンをチョイス。Billecart-Salmon。久々の上質なシャンパンで、やっぱシャンパンの複雑さも良いな〜という気持ちに。


アミューズ。ポテチの上のフォアグラやら、アスパラガスやら。アミューズからブルゴーニュの春を感じられて良い。

ワインリストをもらったので読んでみると、ブルゴーニュの有名村名がずらずらと書かれていて面白い。DRCについてはやはり別格のようで、専用スペースがある。ロマネコンティは15000€=285万円くらいです。はい。



パン。黒葡萄を混ぜた少し酸味と甘味のバター。美味しいけどあんまり食べすぎると死ぬことを察知しあまり食べず。


グリーンアスパラ、黒にんにく、燻製ブレスクリーム。チョコやカレーの香りを連想させるソースに、肉厚なアスパラガス。美味。そして、フレンチって美しいなあ。ドイツはなんだったんだろうか(悪口)。
メインと別に、もう一つ皿が足されるスタイルで、そちらはアスパラガスをシンプルにオリーブオイルでいただく形。


色々迷いつつ、飲み過ぎないよう2皿目からのペアリングをオーダー。Domaine Louis Chenu Père & FillesのSavigny-lès-Beaune Blanc "Les Saucours" 2021。
Savigny-lès-Beauneはよく知らないが、果実感があり陽気、明瞭で率直なスタイル。フランス国内で€32=6000円程度ぽい(後学のために値段を表記していきますがご了承ください)。


蟹のタルタルに、酸味のある自家製マスタード、Nettle(イラクサ)という山菜のソース。前日のアルザスに続き蟹のタルタルはとにかく美味。

こちらもサブ皿(?)に、Nettleを巻いた棒状のやつ。苦い(感想)。


マトウダイ(John Dory)、ポシューズソース、そら豆、ナスタチウム。上品で繊細な白身魚に、ポシューズ=ブルゴーニュ伝統の魚煮込みのソースを合わせていただく。ソースが濃厚。そら豆はホクホクで美味しい。

3杯目はムルソー、Albert BichotのMeursault "Domaine du Pavillon”。Savigny-lès-Beauneと打って変わってふくよかさ、横に広がる感じであり、ソースの濃厚さ、バターっぽさに合って最高。ムルソー好き。ボトルは€55=およそ1万円ほど。


メインの肉が来る前に、シェフからのサービス?次の子羊の皿の一部?で、牡蠣と牛の骨髄のソースと茄子。牡蠣に肉系のソースは珍しいなあと思いながら食べるとこれがクリティカルヒット。骨髄の脂の甘やかさに牡蠣の濃厚な旨み。これは凄い!牡蠣ってこんな食べ方もあるのか!

ワインはDomaine Henri RebourseauのGevrey-Chambertin "La Brunelle" 2021。ほのかなスパイシーさが加わり、こちらも最高のペアリング。日本小売価格は22,000円ほど。2021は冷涼なので、牡蠣と重さがちょうどよくあったのかな。



メインは子羊とグリーンピース。美味。ジブレ・シャンベルタンのペアリングも美味。普通に美味しいけど、特別に言うことがないのは、やはり肉の解像度が低いのか俺。


焼き菓子。シングルオリジンチョコ。めっちゃカカオで苦い。

カカオミューシレージ(カカオの白い肉の部分のやつ)、スリランカ産バニラ、柑橘のデザート。



旅の疲れからか後半は失速してしまった感じはあるものの、若いシェフによる輪郭のはっきりとした、コンテンポラリーで研ぎ澄まされた一皿一皿を味わう体験で良かった。素材ひとつひとつの主張がクリアで食べやすい。ミシュラン獲得を本気で狙っている、伸び盛りのレストランに、星が付く前のフェーズで通っておくのも一興かもしれません。

Katsuma Narisawa
Software engineer and photographer exploring the intersection of technology and human experience.
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